マーケティングにおいてAIDMAという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
こちらは消費者の購買行動をモデル化したもので、ユーザーが商品やサービスに興味を持ってから購買に至るまでの一連の流れをフレームワークに落とし込んでいます。
提唱されたのが1920年代と、昔から利用されているだけに古いモデルといわれることもありますが
マーケティングにおいては基礎となる考え方の1つですので、ぜひ理解しておきましょう。
AIDMAとは
上述の通り、AIDMAはユーザーが商品に興味を持ってから購買に至るまでの一連の流れをモデル化したものです。
Attention-Interest-Desire-Memory-Actionという5つのフェーズから成り立っておりますので、まずはそれぞれを深堀りしていきます。
AIDMAの5つのステップ
Attention(注意)
消費者の注意を引くことが最初のステップです。
視覚的な刺激や興味を引くキャッチフレーズ、目立つデザインやカラーなどが消費者の注意を引くために使われます。
このステップで重要なのは消費者が多くの情報刺激にさらされている中で、商品やサービスに対して注意を向けてもらうことです。そのため、以下のような方法が使われます。
視覚的な刺激
広告や販促物において商品やサービスを目立たせることが重要です。例えば、商品のイメージやロゴを大きく表示したり、鮮やかな色彩を使用するなどが挙げられます。
キャッチフレーズ
短いフレーズで商品やサービスの特徴や魅力を伝えます。消費者に訴求力のあるメッセージを伝えることで注意を引きつけます。
興味を引くストーリー
ストーリーを用いて商品やサービスの魅力を伝えることができます。消費者が興味を持つようなストーリーを用いることで注意を引きつけることができます。
ターゲットに合わせたアプローチ
消費者の関心や嗜好に合わせたアプローチをすることで、注意を引きつけることができます。例えば、若年層向けの広告ではポップなイメージや音楽を使用するなどがあります。
以上のような方法を用いて、消費者の注意を引きつけることができます。
Interest(関心)
消費者が注意を向けた後、関心を持ってもらうことが重要です。商品やサービスがどのように役立つかや、どのような特徴があるかを伝えることが関心を持ってもらうために重要です。
商品やサービスの利点を示す
消費者にとって重要な利点を伝えることができます。例えば、コンビニエンスストアでは24時間営業や商品の充実した品揃えをアピールすることがあります。
独自性をアピールする
競合他社との差別化点をアピールすることができます。「特別な成分を使用している」「高い品質の製品である」など。
ターゲットに合わせたアプローチ
消費者の関心や嗜好に合わせたアプローチをすることで、興味を持ってもらうことができます。健康志向の消費者に対しては、栄養価の高い食品やサプリメントをアピールすることがあります。
社会的・環境的責任をアピールする
企業や製品が社会的・環境的責任を果たしていることをアピールすることができます。「再生可能エネルギーを使用している」「社会貢献活動に積極的に参加している」など。
以上のような方法を用いて、消費者の関心を引きつけることができます。
Desire(欲望)
関心を持ってもらった後は、消費者の欲求を刺激することが必要です。商品やサービスの魅力的な特徴を強調することが欲望を刺激するために重要です。
消費者の欲求や願望を喚起するためには、以下のような方法が使われます。
商品やサービスの魅力的な特徴をアピールする
消費者にとって魅力的な特徴を伝え、商品やサービスを魅力的に見せることができます。例えば、スマートフォンの場合、高性能なカメラ、長時間バッテリー、高速処理能力などの特徴をアピールすることがあります。
価値をアピールする
消費者にとって商品やサービスがどれだけ価値があるかを伝えることができます。例えば、低価格で高品質な商品であることをアピールすることがあります。
消費者の欲求に合わせたアプローチ
消費者の欲求や願望に合わせたアプローチをすることで、商品やサービスに対する欲求を喚起することができます。例えば、美容に関心がある女性に向けた化粧品の広告では、美しさや若々しさをアピールすることがあります。
消費者に対して感情を呼び起こす
消費者の感情を刺激し、商品やサービスに対して興味を持つように促すことができます。例えば、家族や友人と過ごす時間を大切にする消費者に向けたレストランの広告では、楽しい時間を過ごすイメージをアピールすることがあります。
以上のような方法を用いて、消費者の欲求や願望を喚起し、商品やサービスを欲しく思わせることができます。
Memory(記憶)
欲望を刺激するためには、消費者が商品やサービスを覚えていなければなりません。
消費者がその情報を覚えておくことができるようにすることが、このステップの目的です。
記憶に残る方法として、以下のような手法があります。
情報の重要性を強調する
消費者にとって重要な情報や特徴を強調することで、商品やサービスについての情報を覚えやすくします。例えば、健康食品の場合、「健康に良い成分が含まれている」という点を強調することがあります。
イメージを使う
消費者が視覚的にイメージを覚えることができるように、広告や販促活動にイメージを取り入れることがあります。例えば、レストランの広告では、美味しそうな料理の画像を使用することがあります。
短いフレーズを使用する
短く覚えやすいフレーズやキャッチコピーを使用することで、消費者が商品やサービスを覚えやすくします。
マクドナルドの「i’m lovin’ it」日立の「Inspire the Next」などがキャッチフレーズで企業を思い浮かべさせるよい例です。
頻度を上げる
消費者が商品やサービスについての情報を複数回受け取ることで、覚えやすくすることができます。例えば、テレビCMやポスターなど、複数の媒体を使って同じ広告を頻繁に流すことがあります。
以上のような方法を用いて、消費者が商品やサービスについての情報を覚えることができます。覚えた情報は、商品購入やサービス利用の決定につながります。
Action(行動)
最後に、消費者に行動してもらうことが必要です。行動には、商品を購入する、サービスに申し込む、詳細を問い合わせるなどが含まれます。このステップが最も重要であるため、広告や販売促進活動には、消費者が行動するための具体的な呼びかけが含まれます。
以下は、Actionステップにおいて消費者に行動を促すための一般的な手法です。
割引やクーポンの提供
消費者は、割引やクーポンが提供されることで、商品やサービスを購入しやすくなります。例えば、あるレストランがクーポンを発行した場合、消費者はそのレストランで食事をするようになる可能性が高くなります。
限定的な販売条件の提示
消費者に、商品が数量限定であることや、期間限定であることを提示することで、急ぎ購入するように促すことができます。
商品の比較検討機能の提供
消費者は、商品の比較検討機能が提供されている場合、簡単に商品を比較することができます。比較検討機能は、消費者が商品を購入する決定を迅速に下すことを促すことができます。
口コミや評価の提供
消費者は、他の人々の口コミや評価を参考にすることで、商品やサービスの品質や信頼性についての情報を得ることができます。消費者は、これらの情報をもとに商品を購入する決定を下すことができます。
簡単な購入プロセスの提供
消費者は、購入プロセスが簡単でストレスフリーであることが重要です。例えば、オンラインストアでの購入プロセスが簡単であれば、消費者は商品を購入することが簡単になります。
以上のように、Actionステップでは、消費者に商品やサービスを購入または利用する行動を促すために、様々な手法が用いられます。
AIDMAとAISASの違い
AISASとAIDMAはどちらもマーケティングにおける購買プロセスのモデルで、同じ目的を持ってはいますがステップに違いがあります。
AIDMAは消費者の行動(Action)が最後のステップで、購入を促進することに主眼が置かれています。
一方、AISASはAttention-Interest-Search-Action-Shareと最後のステップが消費者による共有(Share)になっており、消費者が商品やサービスを使用した後の行動にも着目しています。
これは、消費者が商品やサービスに満足している場合、他の人にその情報を共有することがあるためです。
また、消費者が商品情報を吟味・比較するために検索(Search)を行うことにも着目しています。
このような消費者心理を把握し、マーケティング戦略に反映させることが、企業の顧客獲得や維持につながります。
まとめ
AIDMAモデルについてまとめました。
今は購買に至るまでの情報収集の仕方や購入自体も消費者にとって様々なバリエーションがあります。
ただ購買における心理の軸は昔から現代までそう大きくは変わっていません。
消費者の心理をうまく取り入れることで、マーケティングに活用していきましょう。