OKRとは
OKRはObjectives and Key Results(目標と重要な成果指標)の略語で、マーケティングにおいても非常に有効な目標管理フレームワークです。OKRは主にチームが特定の期間内に達成したい目標を設定し、それらの目標を測定するための重要な成果指標を決定することによって構成されます。
マーケティングにおいて、OKRは例えば新規顧客の獲得数、リード数、コンバージョン率、売上増加率など、数値目標に基づいて設定されることが一般的です。OKRはチーム全体で共有され、進捗状況は定期的に報告されます。OKRは特定の期間(通常は四半期)の終わりに評価され、成果を振り返ることによって次の期間の目標設定に役立ちます。
目標を具体的で測定可能な成果指標に結び付けることによって、マーケティングチームの目標達成を促進し、目標達成の進捗状況を視覚化することができます。またマーケティングチーム全体で目標を共有し、協調して取り組むことを奨励するため、チームの一体感と生産性を高めるのに役立ちます。
OKRの基本的な考え方
O(Objectives)
OKRにおけるOは「Objectives(目標)」を表します。目標は、組織が特定の期間内に達成したい結果を表します。
「Objectives(目標)」はOKRの中心的な要素であり、成功するためには、具体的かつ達成可能な目標を設定することが重要です。
Key Results
Key Results(キーリザルト)は目標(Objectives)を達成するための定量的な成果指標のことを指します。
つまり、目標を達成するために必要な成果を数値化し、測定するための指標を設定します。
Key Resultsは以下のような特徴を持っています。
数値化されている
数値化された成果指標である必要があります。例えば売上高の増加率、コンバージョン率の向上、ユーザー数の増加など、具体的な数値目標が設定されます。
測定可能である
目標の達成状況を測定するために数値化された成果指標である必要があります。達成度合いを正確に測定し、進捗状況を確認することができます。
目標との関連性がある
目標と関連性がある成果指標である必要があります。目標達成に直接的または間接的に貢献する必要があります。
期間が設定されている
目標達成期間内に達成可能である必要があります。達成期間は通常、四半期や半年、1年などの期間が設定されます。
チームの責任範囲内にある
チームの責任範囲内にある成果指標である必要があります。
チームがコントロールできない外的要因に依存する成果指標は、Key Resultsとして適切ではありません。
Key Resultsは、目標達成に必要な具体的な成果指標であり、チームの進捗状況を測定し、目標達成に向けて取り組むための方向性を提供します。
これらは数値化された成果指標であるため、進捗状況をリアルタイムで確認することができ、チームの成果を促進する上で重要な役割を果たします。
OKRを設定するメリット
企業が目標達成を目指すにあたってOKRを設定するメリットは以下のようになります。
目標のフォーカス化
OKRを設定することで、企業の目標が明確化され、全員がフォーカスを合わせることができます。目標が明確であれば、チームが合意し、方向性を共有することができます。
進捗状況の可視化
OKRを設定することで、目標達成に向けた進捗状況をリアルタイムで確認することができます。進捗状況が可視化されることで、目標達成に向けた取り組みの進捗状況を把握し、必要に応じて改善策を打つことができます。目標達成の可視化は、チームのモチベーションを高め、成果を挙げたという達成感を感じることもできます。
コミュニケーションの促進
OKRは、チーム内でのコミュニケーションを促進するため、チームメンバーが目標に向けて協力し、情報共有を行うことができます。また、進捗状況を共有することで、意見交換や改善策の提案など、より効率的な作業プロセスを構築することができます。
以上のように、OKRを設定することで、企業の目標達成に向けた取り組みを促進し、効率的な作業プロセスの確立やチームモチベーションの向上などのメリットを享受することができます。
KPI・MBOとの違い
KPIとの違い
OKRとKPI(Key Performance Indicators)の違いは以下の通りです。
目的:OKRは、企業やチームの目標達成に向けた方向性や取り組みを提供することを目的としています。一方、KPIは、企業やチームの成果や業績を測定し、評価することを目的としています。
視点:OKRは、主に中長期的な視点から、企業やチームの目標を設定し、達成するための取り組みを決定します。一方、KPIは、主に短期的な視点から、企業やチームの業績や成果を測定・評価するための指標を設定します。
測定方法:OKRは、目標達成に向けたキーリザルト(KR)を数値目標として設定し、進捗状況を可視化します。一方、KPIは、数値目標を定めて、その達成状況を測定・評価します。
フレキシビリティ:OKRは、柔軟な目標設定が可能であり、期間やタイミングを自由に設定できます。一方、KPIは、一般的に固定的な目標設定がされます。
対象範囲:OKRは、企業やチーム全体に対して設定されることが多く、大局的な視点で目標を設定します。一方、KPIは、部署や個人レベルに対して設定されることが多く、局所的な視点で業績や成果を評価します。
以上のように、OKRは主に目標達成に向けた方向性や取り組みを提供することを目的としており、柔軟性があります。一方、KPIは、主に短期的な業績や成果の測定・評価を目的としており、固定的な目標設定がされます。
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MBOとの違い
OKRとMBO(Management by Objectives)の違いは以下の通りです。
目的:OKRは、企業やチームの目標達成に向けた方向性や取り組みを提供することを目的としています。一方、MBOは、個人の目標達成やパフォーマンス向上を目的としています。
アプローチ:OKRは、目標設定のプロセスが柔軟で、中長期的な目標設定や定期的な進捗確認が行われます。一方、MBOは、目標の設定、評価、フィードバックが年1回のパフォーマンス評価時に一括して行われます。
システム:OKRは、アジャイルな取り組みに適したシステムであり、目標の変更や修正が容易にできます。一方、MBOは、比較的に古典的なパフォーマンス管理システムであり、目標に固執しやすい傾向があります。
管理対象:OKRは、主に企業やチーム全体に対して設定されることが多く、大局的な視点で目標を設定します。一方、MBOは、個人や部署単位での目標設定が主で、局所的な視点で目標を設定します。
以上のように、OKRは主に企業やチームの目標達成に向けた方向性や取り組みを提供することを目的としており、柔軟性があります。一方、MBOは、個人の目標達成やパフォーマンス向上を目的としており、比較的古典的なシステムであり、目標に固執しやすい傾向があります。
どんな企業が導入している?
OKRは多くの企業で導入されており、有名企業でも導入されています。
GoogleやIntelなどのテクノロジー企業が初めて取り入れたことで知られていますが、その他に採用している企業としては、Adobe、Airbnb、Amazon、Facebook、Microsoft、Netflix、Salesforce、Twitterなどがあります。これらの企業は、OKRをビジネス戦略の柱として位置づけており、OKRを活用して目標達成に向けた取り組みを行っています。また、OKRを導入することで、チームのモチベーションや生産性の向上、意思決定の迅速化などのメリットを享受しています。
まとめ
OKRは、Objectives and Key Resultsの略で、企業やチームの方向性を示す目的(O)と、その達成度合いを評価するためのキーリザルト(KR)を定めることで、目標達成に向けた取り組みを促進するフレームワークです。
柔軟性があり、目標設定と進捗確認を定期的に行う事でアジャイルな取り組みを推進することができます。世界中の企業で採用されており、チームのモチベーションや生産性の向上、目標達成に向けたフォーカスの強化などのメリットがありますので、プロジェクトの進行などで困っている場合は導入してみてもいいかもしれません。